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費用収益の見越し繰延べの理由(簿記講座)

1⃣費用収益の見越し(未払・未収)

 

費用や収益が発生していても、代金を支払ったり受け取ったりしなければ、その費用収益は、損益計算書に載りません。

そこで、次のような仕訳をすることにより損益計算書に載せるることができます。

(支払利息)600(未払利息)600

(未収地代)1,200(受取地代)1,200

2⃣費用収益の繰延べ(前払・前受)

たとえば、期中に利息の支払いと地代の受取がったので次のような仕訳をしました。

(支払利息)1,200(現金)1,200

(現金)2,400(受取地代)2,400

しかし、上記の金額のうち半分が期分だったらどうでしょう。翌期分を当期の費用や収益として載せるべきではありません。

そこで

(前払利息)600(支払利息)600

(受取地代)1,200(前受地代)1,200

という修正仕訳をすることにより、損益計算書に当期分の支払利息と受取地代のみを載せることができます。

3⃣原因

上記のように費用収益の見越し繰延べの必要性が生じる根本的原因は、

支払=費用の発生、受取=収益の発生ではない」からです。

そもそも収益は実現主義の原則で認識され、その収益を獲得するために犠牲となった価値を費用といいます。(費用収益対応の原則)

ここで実現主義とは、発生が確実となった状態になったときに計上することを言います。

そして、損益計算書には、当期に実現した収益とその収益を獲得するのに犠牲となった費用を載せなければならないのです。