1⃣「オワコン」とは
オワコンとは、終わったコンテンツのことで、ユーザーに飽きられていることをいいます。
ただし「宅建士はオワコン」という主張には「宅建士に価値がない」という意味が含まれているようです。
2⃣宅建士が終わっていない理由
宅建士の受験者数は、約22万人(令和4年)でした。参考までに行政書士約5万人(令和3年)、税理士約3万人(令和4年)でした。この結果をみると、とても「オワコン」とはいえません。
次に「宅建士に価値がない(これを宅建士が言うならともかく、宅建士でない人が言うのは失礼な話ですが)」について考えてみましょう。
一般にものの価値は、需要と供給のバランスによって決まるとされています。
宅建士に需要はあるのでしょうか?
宅地建物取引業法によれば、不動産会社は一定数以上の宅建士を置かなければならず、宅建士に重要事項説明書に記名し説明させなけれればなりません。また、37条書面(契約書)に記名もさせなければなりません。これらの違反に対して罰則まで定められています。不動産会社にとって宅建士は、法律上必要不可欠な存在なのです。
また、人の生活にとって「衣食住が重要だ」と言われますが、宅建士は「住の取引」に関与する重要な資格です。(扱う物件は、数十億円ということもあります)
宅建士は、不動産業を兼業している建設会社や信託銀行などでも必要不可欠な資格になっています。
以上のことから、宅建士の需要は充分あり、「宅建士はオワコン」という主張は誤りです。
3⃣宅建士はAIに仕事を奪われる?
「宅建士の仕事は、AIに置き換わる。」という主張がなされています。
しかし、この主張は、宅建士は単なる”重要事項の説明屋(朗読屋)”という誤解に基づいています。
AIは過去の膨大なビックデーターをもとに結論を出します。(その根拠は教えてくれません)
過去のデーターがない質問には答えることができないのです。(過去問には答えられますが、初めて見る問題には答えられないのです)
重要事項の説明中に、相手方から複雑な質問をされると「データーがありません」とか、的はずれな解答を出してきます。また、AIは機械ですから責任を負うことができません。重要事項の説明内容についてトラブルが生じてもは不動産会社は「当社には責任がありません。すべてAIがやりました。AIが悪いんです。」と言うでしょう。これでは消費者保護になりません。「それでも宅建業者が責任を取れ!」と言うのであれば、重要事項の説明をAIにした意味がありません。また、宅建士制度の目的として、「宅建業者の資質の向上」があることも忘れてはいけません。これを裏付けるよに今、多くの不動産会社では、宅建士の占有率を上げようとしてります。(目標:全員が宅建士)
世の中には受験生のモチベーションを下げようとする輩がいるので要注意です。賢明な受験生の皆さんは、このような雑音は無視しましょう。そんな心配をするよりも「そんな仕事しかできないのならAIで充分だ!」「宅建士なのにそんなこともわからないにか!」と言われないようにシッカリ勉強しておきましょう。