1⃣簿記検定とは
簿記検定とは、その名が示す通り簿記に関する検定試験をいいます。
「簿記」とは、帳簿記入のことをいい、損益計算書や貸借対照表を作成することによって、企業の経営成績や財政状態を利害関係者に報告することを目的にしています。
「検定」とは、一定の基準に照らして検査(試験)をして、合格・不合格を決定することをいいます。
2⃣簿記検定の種類
簿記検定には、日商簿記検定、全商簿記検定、全経簿記検定などがあります。
このうち、日商簿記検定が最も権威があるものとされており「簿記検定」というと「日商簿記検定」を指すことが一般的です。
3⃣日商簿記検定
日本商工会議所が主催する簿記検定です。
商工会議所は、商工会議所法に定められており、その地区内における商工業の総合的な改善発達を図り、兼ねて社会一般の福祉の増進に資することを目的としている団体です。
商工会議所の事業として次のように定められています。
日商簿記検定には、1級、2級、3級、初級、原価計算初級がありますが、3級以上を指すのが一般的です。
1級の試験科目は、商業簿記、工業簿記、会計学、原価計算の4科目で試験時間は、合計180分です。
2級の試験科目は、商業僕、工業簿記の2科目で試験時間は、合計90分です。
3級の試験科目は、商業簿記の1科目で試験時間は、60分です。
合格基準は、各級とも100点満点中70点以上ですが、1級については1科目25点満点で、1科目でも得点が40%未満があると不合格になります。
4⃣全商簿記検定
全国商業高等学校協会が主催する簿記検定です。
全商簿記検定には、1級会計、1級原価計算、2級、3級があります。
この検定は、商業高校で使用している教科書に基づいて出題されます。学校で行われる日頃の学習効果を測るとともに、ビジネスで求めれらる知識やスキルを身に付けた人材の育成とキャリアアップを目的としています。
1級会計は、会社会計を中心に会計法規や企業の業績測定等についても出題されます。
1級原価計算は、製造業で用いられる工業簿記と製品の原価を計算する手続きについて出題されます。
2級は、商品売買業を営む個人企業の発展的な会計処理と、株式会社の基本的な会計処理について出題されます。
3級は、商品売買業を営む個人企業の基本的な会計処理について出題されます。
試験時間は、各級各科目とも1時間30分で100点満点中70点以上が合格になります。
5⃣全経簿記検定
全国経理教育協会が主催(文部科学省後援)する簿記検定です。
全商簿記検定は、上級(商業簿記、会計学、工業簿記、原価計算)、1級商業簿記会計学、1級工業簿記原価計算、2級商業簿記、2級工業簿記、3級商業簿記、基礎簿記会計があります。
試験時間は、上級合計180分、1級商業簿記会計学90分、1級工業簿記原価計算90分、2級商業簿記90分、2級工業簿記90分、3級商業簿記90分、基礎簿記会計90分です。
各級各科目とも正解率70%以上が合格になります。ただし、上級については、4科目中1科目でも40%を切ると合格できません。