「宅建」と「簿記」
1⃣宅建試験について
宅建試験の試験科目は、民法等、宅建業法、法令上の制限、その他の分野であり、民法をはじめとする法律に関する問題が出題されます。
受験資格は、特になく誰でも受験できます。
試験方法は、マークシート方式で四肢択一です。
出題数は50問、試験時間は120分です。
試験は、年一回で合格率は、15%前後となっています。
法律系の入門資格と言われています。
2⃣簿記検定について
簿記検定には、日商簿記検定、全商簿記検定、全経簿記検定などがあります。
これは検定試験の実施団体が異なります。
日商簿記検定が最も歴史があり権威があるとされています。
以下、日商簿記検定について説明します。(ネット試験を除く)
日商簿記検定は、初級、3級、2級、1級とありますが、最も一般的な2級について説明しましょう。
受験資格は、特になく誰でも受験できます。
試験科目は、商業簿記と工業簿記の2科目です。
試験方法は記述式です。
出題数は5題以内、試験時間は90分です。
試験は、2月、6月、11月の年3回で、合格率は25%前後となっています。
会計士、税理士の入門資格と言ってよいでしょう。
3⃣難しいのはどっち?
宅建試験は法律に関する試験であり、簿記検定は経理に関する試験なので比較することは簡単ではありませんが、可能な限り客観的に難易度を検討してみましょう。
・受験資格をみると両者とも同等と言えます。
・試験法をみると記述式である簿記検定の方が難しいと言えるでしょう。
・試験科目をみると科目数が多い宅建試験の方が難しいと言えるでしょう。
・試験時間をみると時間が長い宅建試験の方が難しいと言えるでしょう。
・合格率をみると低い宅建試験の方が難しいと言えるでしょう。
なお、合格に要する勉強時間で判断していることがありますが、客観的な証拠がないのでここでは比較しません。
以上を総合的に判断すると「日商簿記検定2級」よりも「宅建試験」の方が若干難しいと言えそうです。
ただし、筆者の感想は法律と経理の違はありますが、どちらも同じくらいの難しさです。
4⃣役に立つのはどっち?
●仕事の場面
宅建士は、宅地建物の取引を業として行う不動産会社や信託会社では必要不可欠な存在となります。そして、宅建士でなければできない仕事が法律よって決めらています。
簿記検定は、全ての企業業種で使える資格です。ただし、簿記検定の資格がなくても経理や財務の仕事をすることは可能です。
●プライベートの場面
宅建士になるためには、民法などを学びますが、これらの知識は、日常生活でも役立ちます。
簿記検定資格を取得するためには、商業簿記、工業簿記、会計学、原価計算を学びますが、これらの知識は、日常生活ではほとんど役に立ちません。